火渡り修行とは何?
- 神崎寺
- 4月19日
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火渡り修行とは 密教護摩の発祥仏教発祥の地インドにて釈尊入滅後、数度の弟子の
結集を経て仏教は戒律を重んじ自己の修行完成を目指す集団と衆生の救済を目指す大乗仏教に分裂する。そもそも護摩修行とは、大乗仏教の利他実践のために現世利益が求められ、バラモン教あるいはゾロアスター教などの火を神格化する習俗作法が仏教に取り込まれ密教が生まれ“護摩”が修法されることとなりました。
丈夫な皮を持つこともなく、寒さをしのぐ毛皮も持たず、天敵と戦うための爪も牙も持たない人類が地上において覇を握る由縁は“火”であり、それゆえに火を神格化することは自然であったことでありましょう。
密教に取り込まれた護摩は曼荼羅の諸尊により理論が構築され中国そして日本においては国家安泰を祈願する最高の修法となっています。

修験道 柴燈護摩 火渡り修行
日本において山岳信仰と融合した密教は修験道となり、出家あるいは在家を問わず自己の信仰の実践として独自の発展を遂げる。
山中に修行する行者が危険、孤独、不安、渇望に耐え、不動明王を求め続ける。法具も供物もなく、堂宇もない。山の薪を集め、柴をかり集め、行者自身が築き上げた結界の中に薪を積み、柴をかけ、地に座し、護摩を修する。煩悩を焼き、魔を退ける、さらに不動明王との入我我入を求め、不動尊の三昧に入り、火中に歩み入るものである。
直面した身の危険に対し、自身の信心が問われるときである。

神崎寺の火渡り
神崎寺の前身である東照院は明治時代の廃仏棄釈で閉山に追い込まれ、明治、大正の時代は信心ある信徒と無名の行者により先祖供養を小さなお堂で行っていました。戦後、現成田市の長沼地区のお大師様を祀るお堂から毎月二十一日に来ていた行者さんが年老いて、二十キロの道のりを自転車で来山することが難しくなりました。そこで東照院の信徒たちは行者さんと同じ真言宗醍醐派の品川寺を訪ね、月に一日でもいいからお坊さんを派遣してほしいと懇願しました。品川寺の住職であった仲田順海大僧正は快く弟子を派遣してくれました。
それが神崎寺中興の祖である秀宝大僧正でした。秀宝大僧正は当時、修験者として武州高尾山の行者の中心で活躍しており昭和二十六年復興された高尾山火渡り修行において火生師を務め、高尾山の修験道復興に尽力されました。
奇しくも昭和二十六年に神崎御山東照院初めての火渡り修行を大利根川道場で修行したのでありました。その後、数年にわたり秀宝大僧正は東照院と武州高尾山の火渡りを執行されました。当時は東照院の梵天衆が高尾山に行って梵天神輿を担いで修行をしました。現在でも高尾山で梵天神輿が担がれるのは当時の由縁があるからなのです。
時をつなぎ、縁をつなぎ今の火渡り修行があります
東照院から神崎寺となったのは 善哉大僧正が先代住職であったときです。善哉大僧正は秀宝大僧正から引き継いだ柴燈護摩火渡り修行の流儀を全国に広め、総本山醍醐寺においても火渡り修行を多くの僧侶や行者に伝授し、当山派修験道の火渡り修行第一人者となりました。善哉大僧正は神崎寺の境内整備を行い境内における火渡り修行を実現し、平成十九年までは境内において火渡り修行を行っていました。
平成十九年に神崎寺に入られた真勝和尚は、より大きな道場を求め、神崎町と協力して地域の活性にも役立つよう、火渡り修行が始まった場所である利根川河川敷に道場を戻すことを慣行しました。
現在でも準備はとても大変ですが、道場を河川敷に戻した当初は、本当に準備が大変で、真勝和尚は目が三角になって大声で怒鳴ってばかりでした。
近年では多くの人が協力してくれて、準備も何とか順調にできるようになり和尚様も少しマイルドな味付けに変わってきたようにも思えます。
あの頃の激しい和尚様を知る人は今の和尚様が別人のように優しい人に見えるかもしれませんね。関東において最も伝統ありといっても過言でない神崎寺の火渡り修行ですが、大きな寺院のものとは異なり一年一年と多くの人の尽力によって手作りで継続されてきました。これからも多くの人の信仰と浄心によって火渡り修行が護られますように今年も精進いたしましょう。

作り上げる火渡り修行
火渡り修行の準備にはとても多くの人の協力が必要です。時には大変な時もあります。でも、火の上をわたることだけが修行ではありません。むしろ、火渡り修行は準備が修行だと言われています。特に、四月二十五日から二十八日は多くの作業があり、多くの人の
出仕が必要です。さらに、二十七日と二十八日は河川敷の準備を行いますので最も忙しくなります。一緒に修行いたしましょう。

火渡り修行の当日は?
四月二十九日、火渡り当日。小学生は稚児行者として修行に参加できます。男性諸氏はぜひとも梵天衆として御輿担ぎに参加していただきたい。
食事の炊き出し、現地受付など全員が役割をもって修行します。
全ては不動明王のために
準備作業や稚児行者、神輿担ぎのお申込み連絡は?
電話 0478-72-3999
または公式LINEから
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